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兵庫県立大学大学院看護学研究科 21世紀COEプログラム
役立ちマニュアル:がん患者偏
化学療法中の副作用への対処
備えの時期 災害発生初期 復旧・復興期

白血球減少症


 白血球は、外部からの有害物(悪い微生物など)の侵入から身を守る役目を行なっています。化学療法剤は、がん細胞と同時に健康な、感染と闘ってくれる白血球も壊してしまうので、感染への抵抗力が低下してしまいます。成人における正常な範囲の白血球の値は、2000〜8000/ul といわれています。 白血球は治療後2・3 日から減り始め、7〜14 日で最も低くなります。白血球が減少すると、他の人より感染が起こりやすくなります。(口内炎・気管支炎・下痢・化膿・発熱など)しやすくなります。治療中は2000 以上あれば感染の危険はほとんどないといわれていますが、白血球数だけではなく全身の健康状態も関与しますので、医師や看護師から注意するようにいわれる数値は多少異なります。



表1:白血球低下時に家で気をつけること


食事前後、排泄の後、外出の前後などに手洗いを行ない、マスクを使用する。
外出を控え、人ごみを避けます。仕事を続けている人は勤務時間をずらしたりします。
入浴時間を短くしたり、体を拭くかシャワー浴にして、体力を消耗しないようにします。お風呂場は寒くないように気をつけます。
感染を予防するために毎食後の歯磨きを習慣化する。この時期は、同時に口腔内を傷つけないように、柔らかい歯ブラシで、やさしく歯磨きをする。
うがいを起床時・毎食前後・寝る前に行う。
できるだけ火の通った煮物で消化の良いものを食べます。口腔内に傷を作らないよう、熱いものや魚の小骨に注意する。料理をするときは、めんどうでも手袋をつけて家事をします。
白血球を増やすお薬を注射することもあります。(熱があれば抗生剤を投与が必要になることもあります)

化学療法を受けている間は、感染しやすくなります。これは、抗がん剤が骨髄に作用して、白血球を減少させ、抵抗力が弱ってしまうからです。白血球は、感染と戦うとても大切な血液成分なのです。感染は口の中、皮膚、肺、直腸、泌尿生殖器などいろいろな場所におきやすくなります。患者様の状態を把握するために、主治医は頻繁に白血球の数を調べます。白血球数が非常に少なくなると、治療するための抵抗力をつけるために、薬の量を少なくしたりします。数が正常範囲以下になった状態を、好中球減少症といいます。
白血球数を極度に減少させることが多い抗がん剤を服用している場合、医師は白血球が急速に回復するのを促進するコロニー刺激因子の注射を処方することがあります。G-CSF製剤(顆粒球コロニー刺激因子:グラン、ノイトロジン)やM-CSF製剤(ロイコプロール)は、ほとんどの種類の化学療法で一般的に使用されています。(Marilyn,J.D.,1998/大西和子,1998)
以下にあげたことが感染を防いだり、早期発見に役立つでしょう。



1) 白血球が少ないと言われた場合:災害時の留意点


備えとして準備しておくもの


やわらかい歯ブラシ・マスク・手洗い石けん・スキンケア用品(お尻拭き)・栄養補助食品・飲料水・手袋・消毒薬・ローションやオイル・体温計など


(1) 発熱(37.8°C以上の発熱)、寒気、発汗
(2) 一日に3回以上の軟便、下痢(化学療法の副作用としても)
(3) 排尿時のやけるような感じ、頻尿、血尿
(4) 激しい咳や喉の痛み。
(5) 異常なオリモノの増加、陰部のかゆみ
(6) 傷口、吹き出物の周囲の発赤、または腫れ
(7) 目の充血、目やに
(8) 口内炎(口腔内の発赤、痛み)

何か感染徴候があるときには、目覚めている間は4時間毎に体温を測定してください。
 感染症にかかったら、1日に約1,800〜2,800mlの水分を摂取する必要があります。心臓や腎臓に障害のある人は、医師と相談をしてから飲用を進めてください。
 この様な兆候がでたときはむやみに鎮痛解熱剤を使わずにすぐに主治医に連絡を取りましょう。白血球数が少ない患者さんに感染がおこった場合は、一般的には入院して、抗生物質で治療します。

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