災害看護 命を守る知識と技術の情報館 ユビキタス社会における災害看護拠点の形成
あの時を忘れないために
本サイトのご利用にあたって
兵庫県立大学大学院看護学研究科 21世紀COEプログラム
役立ちマニュアル:災害時の介護ボランティア活動の知恵袋
被災地へのアプローチ
備えの時期 災害発生初期 復旧・復興期

被災者への支援


1)避難所での支援

(1)生活環境への援助

冷暖房などの温度調整や換気、照明、騒音の配慮
トイレをはじめ居室の清掃、ゴミの始末
ペットなど動物の扱い
分煙への配慮(喫煙コーナーの設置、配置)

ペットは家族の一員として癒しにもなるが、それに対し嫌悪感・不快感を持つ人もいたり、アレルギーを持つ人もいることから配慮が必要である。

(2)食生活への援助

年齢・体調・疾患により食事への配慮が必要な人に対する食事メニューの調整
(例)高齢者、乳幼児、体調の悪い人、消化能力の低下している人、高血圧や糖尿病・透析患者など慢性疾患をもつ人
充分な水分補給への援助
食事介助

「人の間をぬって行かねばならないので迷惑がかかる」、「介助が必要で気兼ねする」などのためにトイレに頻回に行かないように水分を控えたり、我慢をする人もあるため意識をして水分補給をするような援助は必要である。

(3)保清・排泄への援助

介助を要する人(新生児、高齢者など)に対する入浴介助
入浴できない人(怪我、寝たきりなど)に対する清拭・洗髪など
排泄介助(おむつ交換も含む)

(4)睡眠・プライバシーの確保に対する援助

・集団生活の中でプライバシーの確保が出来ないことが不眠やストレスの原因となることがあるため、個人スペースの確保や着替えの場・授乳室・静養室の確保が必要である。

(5)活動に対する援助

生活リズムを整えるきっかけづくり(起床・就寝、一斉清掃)
運動不足解消のための朝のラジオ体操
気分転換を図る活動の推進(休日のハイキングや散歩)
子どもたちの遊び場づくり

(6)精神面への援助

災害後のストレス反応への理解を促す
やり場のない怒りへの対応
話し相手になる
定期的な巡回相談、声かけ
交流の場づくり

心のケアは身体ケアと合わせて生活の中で初動期から行い、PTSDに移行しないよう支援する。具体的には被災者の中には「大丈夫です」と言う人もあるが言葉を鵜呑みにせずに被害状況・家庭の役割を考え継続的に関わる。また拒否されても無理に関わらず「何かあったら言ってください」と伝え、一旦引き様子を見ることも必要である。定期的に声かけをすることは「安心感」につながる。

(7)健康管理

被災者の健康チェック
災害関連疾患(肺炎、エコノミークラス症候群など)への対応

「眠れているか」「家の状態は」「食事は」「薬は飲めているか」など声かけは一人ひとりに具体的に行う。被災直後など、時には共に被災者と片付けなどの作業をしながらその人の健康状態等の情報を得ていくことも必要なことである。

(8)感染症予防
(風邪、インフルエンザ、食中毒、疥癬、 結核、下痢、水痘・流行性耳下腺炎などの小児感染症等)

手洗い・うがいの励行、換気、水害時には消毒薬の使用方法などの指導
予防接種の情報提供や必要な人への声かけ
賞味期限の切れた食料の廃棄

(9)災害時支援優先度の高い人への支援

 例えば、こどもならば感情の表出ができるように遊びの方法(ごっこ遊び、お話、お絵かきなど)の提供を行う。障害者ならば手話ボランティア、ガイドヘルパーへつなげるなど行う。外国人ならば、言語で困るため外国人支援センターへつなげる必要があろう。継続治療が必要な人(例えば慢性疾患(糖尿病、循環器疾患、透析患者)、精神疾患、結核など)ならば、服薬の支援および受診に関する情報提供や介助、医療班との連携が重要になる。機能訓練や療育訓練の継続が必要な人、福祉サービスの継続利用や新規利用が必要な人(ホームへルプサービス、デイサービス、ショートステイなど)に対しても、従来利用していたサービスが利用できなくなることで困難になることがあるため、支援が必要である。その他乳幼児、妊婦、高齢者、単身者、要介護者に対しても支援が必要である。


2)避難所での運営支援


(1) 専門職ボランティアの役割分担
(2) 洗濯、炊き出し、入浴などの様々な活動でのボランティアとの調整
(3) 被災者に対するマスコミ勢からの守りに努める
(4) 避難所での情報提供・管理

 必要に応じて避難所でのリーダーの動き、被災者の配置などに対して随時助言を行う。また、必要な生活情報(避難所での物品の配置・使い方、ゴミの処理方法、トイレの使い方、手洗い・うがいの方法、食事等の配給、イベント・行事、行政からのお知らせなど)がどうすればみなに行き渡るのかを考える必要がある。その際、グループ化してまとめて提供する工夫も必要であろう。連絡方法はチラシ配布、放送、掲示などがある。

3)救護所・避難所へ来られない人・来ない人への支援

(1) 情報の提供
(2) 出向いていき、こちらから声をかける
(3) 被災者に対するマスコミ勢からの守りに努める
(4) 避難所と同様の対応が必要


命を守る知識と技術の情報館
役立ちマニュアル
災害の時期で探す
役立ちマニュアル ボランティア活動の知恵袋一覧ページへ
お問い合わせ アクセスマップ プライバシーポリシー サイトマップ
Copyright © 2006 College of Nursing Art and Science,Hyogo. All Right Reserved.
inserted by FC2 system