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1)被災地で最初に行うこと
(1)被災地到着後、ボランティアセンターで受付
(2)ボランティア保険の確認、加入
(3)名札など名前が分かるものを付ける
→被災者・支援者に対して自分の身分の証明、自分自身のボランティア意識を高めることにつながる。
(4)自己紹介を行う
→自分の所属・身分を明らかにするとともに看護職であることを伝える
(5)まず被災地へのお見舞い・労いの言葉を掛ける
まず被災地で看護ボランティアとして活動できるように、ボランティア登録や保険の加入は必須である。また、多数のボランティアが被災地に入っているため被災者だけでなく外部からの支援者にとっても誰なのかが分かるようにしておくことや自分のことを伝えていくことも大事である。
2)活動方法・態度
(1)現地の人(行政職員、地域の責任者、地元の一般ボランティア等)と活動する
→被災者が話される言葉の理解や、地理や住民意識などの地域特性の理解、顔見知りの人がいることでスムーズに活動に入ることができる
(2)自身の安全確保のため、2人以上で行動し、何かあれば声を掛け合う体制をとる
(3)安心感につながるため、出来る限り同じ人が同じ対象者のところへ行けるような体制をとる
(4)その地域の窓口となる人(自治会長など)との話し合い、関係性を築く
(5)救援所や医療班と協力してケア提供する
(6)地域の地縁組織(自治会、婦人会、青年会)等とチームを組んで活動する
(7)組織の中での自分の役割を明確にしながら活動する
(8)カンファレンスの開催・参加(参加者:行政、一般ボランティア等)
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自分の動き方を確認するために情報の共有、活動の方向性を確認する |
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現地の支援者、外から入る支援者にとってもディブリーフィングの場になる |
(9)住民のニーズ集約や継続支援につなげるために、意識して記録を行い、被災地へ残していく
(10)支援が継続されるための引き継ぎは必ず行う
被災地域での看護ボランティア活動は、個人一人だけで動く活動は少なく、地域の自治会などの地区組織や一般ボランティア、医療機関など様々な人や機関との協働が必要となる。多くの人が関わるが故に、みなが方向性を同じくして活動に取り組めるようにカンファレンスを実施することや、自分達ボランティアがいなくなっても支援が継続されるように記録や引継ぎなどを丁寧に実施することなど、一人ひとりの被災者にとって自分たちの活動がどのような意味となっているのかを考え行動することも大事なことである。
3)心構え・準備性
(1)情報の持つ意味を理解して行動する
現地の情報は混乱し、刻々と変化している。そのため情報を何度も確認しながら正確に把握する努力をしなければいけない。またひとつの情報・点の情報でなく、いくつかの情報・面で情報を掴む必要もあるだろう。自分が情報の発信源にもなるということをこころすべきである。
(2)被災者の心理的回復プロセスの特徴を理解して行動する
(3)アウトリーチ(自分から出向く姿勢)に心がける
現地の状況は自ら行かないと分からないという意味だけでなく、被災者は自ら必要性を感じてケアを求めてくる人ばかりではないことを想定しておく必要がある。
(4)被災者に関わる際には当面のニーズに焦点を当てて話を聞いたり支援を行う
(5)状況・必要に応じて役割を柔軟に変更していく
看護業務以外の炊き出し、掃除等も時には必要な支援となる
(6)こちらの「したいこと」が被災者にとって必要なことであるとは限らない
(7)現地の支援者の批判はしない
4)自分自身のケア
(1)自己の身の安全の確保
(2)気分の高揚から無理をしすぎることがある。自己コントロールするよう心がける
(3)自分自身の疲労や相手との関係性を考え、活動期間は1週間程度を限度にする
自分も含めて被災地外部から入る支援者も二次被災者となりうることがある。ボランティア活動により自分が災害の二次被災者にならないように活動することが原則である。そのためには、危険を感じたら行かない、危険を冒さないなど自己の安全確保を第一に考え、意識的に休養・休息をとることや、災害時特有の心の変化に気を配り活動をしていくことが必要である。
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